Storytelling
浅野 雅姫, 加藤めぐみ, 鈴木 仁衣奈, masuda aoi, もりさこりさ
aaploitでは2026年10月16日(金)から11月1日(日)まで浅野雅姫、加藤めぐみ、鈴木仁衣奈、masuda aoi、もりさこりさの5名によるグループ展「Storytelling」を開催します。
企業がパーパスを語り、商品の来歴や拘りを背景として語る。ストーリーテリングはいま、顧客を想定して企業が語りかけるためのマーケティングの技術として使われています。
通常、ストーリーテリングは語る者と聞く者がいて成り立つ行為ですが、本展に語る者はいません。5人が使うのは、報道、映画、製本、遺跡の断片、身体に残る記憶ですが、どれも語り手が表に出てこない形式です。
鈴木仁衣奈は、進化の過程が身体に残るという三木成夫の「生命記憶」を参照し、言葉になる以前の感覚に触れる制作を試みています。作家の造語である「ネオ・プリマトゥス(新霊長類)」は学名の形式で名指しされていますが、その体系は与えられていません。
浅野雅姫は、事実の形式そのものをつくります。実在しない事件を報じる新聞があり、その事件に着想を得たとされる漫画があります。参照する側の顔をした作品が重なりますが、起点がフィクションであることはどこにも示されません。
masuda aoiは、本文のない挿絵のような図像を描きます。製本された図版は順に読むように促しますが、masuda aoiの作品を読み終えるタイミングは鑑賞者に委ねられます。
もりさこりさの描く場面は、物語を想起させますが、そこにあるものを示すだけで、なぜそれを見せるのかは言いません。
加藤めぐみは、1000年後も元の姿を留めるとされるフレスコ画を制作します。そこに現れるのは、数年後には忘れられているかもしれないキャラクターです。断片として提示される作品は、発掘された遺物の姿を想起させます。
本展は、語り手のいないストーリーテリングを考えます。語り手が不在のストーリーを、読んでみてください。
本展覧会、作品に関してのお問合せは info@aaploit.com までメールにてお願いいたします。
Storytelling
- 会期
- 2026年10月16日 – 11月1日
- オープン
- 会期中の金、土、日 13:00 – 18:00 ※会期中の他の日程の観覧をご希望の場合にはご予約ください。
- 会場
- aaploit, Tokyo
Artists
浅野 雅姫
2000年生
油彩画とインスタレーションを通じて、西洋美術史に繰り返されてきた視線の非対称性を主題に制作する。ティツィアーノやパルマ・イル・ベッキオの構図を踏襲しつつ、古典絵画が神話の修辞で覆い隠してきた性的・経済的構造を、悪戯心とともに転倒させる。実在するセックスワーカーとの対話を重ね、彼女たちの経験に向き合いながら制作を行う。その根底にあるのは、美術史と現代社会の双方に通底する女性蔑視への怒りである。愛知県立芸術大学大学院修了。2000年愛知県生まれ。
加藤めぐみ
2003年生
制作では平面作品だけでなく半立体やインスタレーションを手がけ、鑑賞者の身体感覚を巻き込んだ「場」の構築に関心がある。身近で親しみやすいイメージを媒介として、時間や記憶、虚構と現実の関係性について考察している。
主なグループ展に、「純粋持続」ギャラリーhazi(愛知県/2025)、キュレーション企画「クリームソーダが溶ける頃」ギャラリー ニュー銀座堂(岐阜県/2024)など。「佐久島プロジェクト」に参画、作品は佐久島に常設されている。
愛知県立芸術大学美術学部美術科(油画専攻)卒業、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程(絵画専攻)在籍。2003年岐阜県生まれ。
鈴木 仁衣奈
鈴木仁衣奈は、個人ではなく種の身体に太古から累積してきた「生命記憶」を問う。透明なジェルメディウムを幾度も塗り重ね、記憶の堆積を絵具層の厚みへと置き換える。人類の起源と行方を内包する像「ネオ・プリマトゥス」を軸に、「人以前のヒト」へ立ち返る契機としての組作品を展開している。東北芸術工科大学大学院 芸術文化専攻 絵画領域 修士課程在籍。美術新人賞デビュー2026 グランプリ、第17回春季二紀展 新人選抜大賞、東北芸術工科大学 卒業/修了研究制作展2025 優秀賞・リキテックス賞ほか受賞。神山財団芸術支援プログラム第13期生、新田芸術奨学金第5期生。
masuda aoi
自分を形作っているはずの身体を、全体としては把握できない。その分からなさを、版画、絵画、装丁まで手掛けるアートブック、小さな立体へと展開している。顔は媒体を横断して現れる。展開図のように左右対称に反転する画面で、顔は知っていることと知らないことを併せ持つ。 東京造形大学絵画専攻在学中。主な展覧会に「ポロポロをのぞいて」(文房堂ギャラリー、東京、2026年)、「Nonet」(新宿眼科画廊、東京、2026年)など。
もりさこりさ
2003年生
もりさこりさは、頭の中にある並行世界を描く。現実で得た着想を空想の世界へ移し、フィクションにリアリティを与える。画面は物語の始まりとして開かれる。 2003年東京都生まれ。2026年多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業。主な個展に『Sunny』(Gallery Dalston、東京、2026)。「FACE2022」入選。